通信制高校は、全日制の高校とは違い、自宅又は、サポート校を利用して学習していき、卒業を目指すのが一般的です。
登校日数は全日制高校と同じような登校日数の所もありますが、月に数回しか登校しないところもあります。
その為、通う学校によって学費は大きく変わってきます。
では、通信制高校はどれくらいの費用がかかるのか、どんな制度をつかえば安く費用を抑えることができるのかを詳しく紹介していきます。
通信制高校に通う時、発生する学費の種類
通信制高校の学費で主にかかってくるのか以下のものです。
・授業料
・教科書代
高校にもよりますが、施設設備費が発生することもあります。
入学金は入学時に一度だけ支払い、授業料は授業単価×履修単位数で決まります。
教科書代は履修する科目や教科ごとに支払いを行い、施設設備費は卒業するまで毎年発生します。
その他にかかる費用は以下のようなものがあります。
・生徒会運営費
これらは学校によって変わってくるため、通いたい高校の資料を取り寄せ、しっかりと確認しておくようにしましょう。
一般的な通信制高校の学費
通信制高校には、全日制高校と同じように公立と私立があります。
学費はそれぞれ違っていて、自宅学習がメインなのか進学がメインなのかでも変わってきます。
高校 | 初年度の金額 | 就学支援金が適用された場合 |
公立通信制高校 | 3万円程度 | 2万円程度 |
私立通信制高校(自宅学習) | 26万円~43万円程度 | 8万円~26万円程度 |
私立通信制高校(進学コース) | 50万円~115万円程度 | 30万円~95万円程度 |
上記の金額は25単位を履修したときの金額になります。
また、就学支援金は市町村民税所得割合が154,500未満だった時の金額になります。
学習スタイルで学費は大きく変わる
通信制高校は、学習スタイルが自宅学習メインの場合は費用が安くなりやすく、進学コースなどの登校日数が多ければ多いだけ高くなります。
その為、学習スタイルと通信制高校での選択するコースを一致させておくことが学費を安くさせるコツになります。
進学するつもりがあまりないにも関わらず進学コースを選んでしまうと、登校回数が多くなってしまい、学費が余計にかかってしまうだけになります。
また、通信制高校には、就学支援金の対象になることで費用を安く抑えることもできます。
就学支援金というのは、国から学費の支援を受けることができる制度の事です。
公立の通信制高校の学費
公立の通信制高校は、その他の通信制高校に比べて学費がかなり安いです。
私立に関しては下で詳しく説明しますが、1単位あたりの授業料の料金が7,000円~10,000円程度になることが多いです。
しかし、公立の通信制高校の場合は、1単位あたりの授業料は336円程度であることが多いので、私立高校の1/30程度しかかかりません。
入学金 | 500円 |
授業料(1単位336円での計算) | 336円×25単位分=8,400円程度 |
授業料以外に必要な費用 | 日本スポーツ振興センター共済掛金 年間165円 |
実習に対して必要な教材費 | 科目により大きく異なってくる |
レポートの郵送費用 | 100gまでは15円 |
上記は東京都の学費になります。
公立の通信制高校によって異なりますが、学費は平均で年間3万円程度であることが多いです。
一般的に公立の定時制高校の年間の費用は12万円程度になります。なので、公立の通信制高校は、私立の通信制高校はもちろんですが、公立の定時制高校よりも安いことになるのです。
県名 | 入学金 | 授業料 |
神奈川県 | なし | 平日講座700円×単位数 日曜講座 350円×単位数 IT講座×350円×単位数 |
千葉県 | 500円 | 330円×単位数 |
愛知県 | 500円 | 336円×単位数 |
大阪府 | 500円 | 最大で9,900円までかかる |
公立の通信制高校で気をつけるべき点
公立の通信制高校は、学費が安い分、卒業率が低く、約40%程度だと言われています。
その大きな理由は、「学習サポート体制がほとんどないため」です。
自分で学習をしていかないといけないので、費用の安さだけで公立の通信制高校を受ける場合は注意してください。
私立の通信制高校の学費(自宅学習メインの場合)
私立の通信制高校を選択し、自宅学習をメインにすると、スクーリングの回数が減り、学費を多少抑えることができます。
学校にもよりますが、インターネット等を使った授業をメインに行っている所もあり、先生からのレスポンシブが非常に速いので、自宅でも十分に学習ができるのです。
入学金 | 2万円~5万円程度 |
授業料 | 約7,000円程度~1万円程度×履修単位数 |
施設設備費 | 年間24,000円~ |
通信費 | 年間5,000円~ |
諸経費 | 年間3万円程度~ |
合計費用 | 約30万円程度~ |
こちらはあくまで一例になります。
学校によってはオプションの選択ができたりすることもあるので、それらを含めるともう少しかかることになります。
表の中の諸経費とは、校外学習や修学旅行への参加、教材費などの事になります。
その為、学費は最低でも30万円程度からになるでしょう。
また、授業料などが高いような学校だと最低でも40万円程度はかかりますので、通う学校の学費はしっかりと目を通しておくようにしましょう。
私立の通信制高校の学費(進学コースの場合)
進学コースの場合は、登校日数によって学費が変わってきます。
当然ですが、登校日数が多いと学費も高くなります。
「大学に行くために指導を受けたい」「高校生活を楽しみたい」などの理由がある場合は進学コースを選ぶと良いでしょう。
入学金 | 1万円~ |
授業料 | 8,000円程度~×履修単位数 |
施設設備費 | 年間6万円円~ |
補習費 | 年間18万円~ |
教材費 | 年間3万円~ |
合計費用 | 約48万円程度~ |
こちらは一番平均的な学費になります。
また、週1回の登校をメインとしている場合の学費になります。
進学コースも、一般的には自宅学習がメインですが、週に1回程度ホームルームがあり、クラスメイトとの交流ができたり、学習の進行状況の確認をしたり等を行います。
進学を目標としていますが、ベースは「自分のペースで少しずつ勉強をしていく」という基本姿勢を保っています。
月2回の登校の場合の学費
入学金 | 27,500円程度 |
授業料 | 20万円程度 |
施設設備費 | 15,000円程度 |
合計費用 | 242,500円 |
週2日の登校の場合の学費
入学金 | 3万円程度 |
授業料 | 20万円程度 |
特別講座費用など | 約20万円前後 |
施設設備費 | 約4万円程度 |
教育充実費 | 3万円程度 |
合計費用 | 約50万円程度~ |
週3日の登校の場合の学費
入学金 | 4万円程度 |
授業料 | 20万円程度 |
特別講座費用など | 265,000円 |
施設設備費 | 5万円程度 |
教育充実費 | 8,000円 |
合計費用 | 56万円程度~ |
週5日の登校の場合の学費
入学金 | 約9万円程度 |
授業料 | 20万円程度~50万円程度 |
特別講座費用など | 37万円程度~ |
施設設備費 | 12万円程度~ |
教育充実費 | 2万円程度~ |
合計費用 | 80万円程度~ |
上記の学費は履修単位を25取得するときの平均的な学費になります。
その為、履修単位が変われば学費も変わってきます。
授業料とは?
通信制高校の場合は、レポートなどを提出することで単位を取得していく学習方法ですが、学費には授業料が含まれています。
この場合の授業料というのは、「レポートやスクーリングにかかってくる費用」の事です。
通信制とはいっても月に2回の登校や、週に何回かの登校が必要となっています。
その為、通信制高校の場合は、高校卒業の為には欠かせない費用になります。
その他にかかる学費に関して
自力での通信制高校の卒業が難しい場合、サポート校を利用して卒業を目指していくことになります。
通信制サポート校を利用する場合の学費は、登校日数やコース、設備等で異なってきますが、平均的には以下のような学費になります。
初年度納入金 | 50万円~100万円程度 |
入学金 | 5万円~20万円程度 |
授業料、設備費、行事ごとなどにかかる費用 | 35万円~80万円程度 |
上記の金額は私立の全日制高校とほとんど変わらない金額となります。
サポート校だけでは高校卒業が難しいため、通信制高校にも在籍することになるので、通信制高校だけに在籍している人よりも学費の負担は増えることになります。
また、サポート校も週にどれくらい通うかで授業料は変わってきます。
コース名 | 料金 |
週1日ワンデイコース | 20万円程度 |
週2日ツーデイコース | 25万円程度 |
週5日ウィークデイコース | 50万円程度 |
サポート校も通信制高校同様に週にどれくらい通うのかで授業料等が変わってきますので、しっかり確認しておくようにしましょう。
サポート校の費用を抑える方法
サポート校は必ずしも通わないと通信制高校は卒業ができない、というわけではありません。
なので、通わなくても通信制高校を卒業をすることは可能です。
しかし、それでもサポート校にも通わせたい、本人がサポート校を希望しているなどの理由で通わせるなら、できるだけ費用を安く抑えたいですよね。
サポート校の費用を安く抑えるなら以下の方法を行うと良いでしょう。
・週に1回又は2回くらいの少ない日数のコースを選ぶ
・できるだけ家から近い所を選ぶ
サポート校は、絶対必要と言うわけではないので、まずは通信制高校の学習がスタートしてから判断しても遅くはないでしょう。
基礎学習に特化したシンプルなコースを選ぶ
専門的な知識を学習したり、資格を得るための学習ができるコースを選ぶと、費用はそれだけ高くなってしまいます。
なので、できるだけ基礎的な学習ができるくらいのシンプルなコースを選ぶと、高校の学習に追いつくくらいのことしかやらないので、費用は安く抑えることができます。
週に1回又は2回くらいの少ない日数のコースを選ぶ
週1回や2回のコースは、上記でも書きましたが、平均的に20万円前後で収まります。
しかし、週5回行くようになると費用は50万円前後になってしまいます。
自宅学習と併用しながら、足りない部分や理解が難しい学習を文字通り「サポート」してくれるくらいの通い方の方が費用は抑えられるでしょう。
できるだけ家から近い所を選ぶ
家からサポート校までの距離が電車で何駅も離れていると、交通費が高くなってしまいます。
多少でも出費を抑えるならできるだけ家から近い所を選択すると交通費は抑えられます。
まとめ
通信制高校は、全日制の高校に比べて、全体的に費用が安く、通わせやすくなっています。
また、学習に関してのサポートなどが充実している所もあります。
しかし、通信制高校だけでは卒業が難しい場合は、サポート校などを利用することになるので、どの程度の費用がかかるのかはしっかりと把握しておきましょう。