通信制高校だけでは単位や勉強を補いきれない時に、学習面や生活面を支援してくれる存在として通信制サポート校があります。
しかし、その他に技能連携高等というものも存在します。
通信制サポート校と技能連携校は、どちらも通信制高校の学習を同時に進めていくことで高卒資格を取得することができるようになるものですが、その役割は大きく異なってきます。
実際の所、どんな違いがあるのか、そもそも技能連携校っていうのは何なのか、そのメリットデメリットなどを細かく紹介していこうと思います。
通信制高校の比較は以下をご利用ください。
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技能連携校ってなに?
技能連携校というのは、技能連携制度を利用し、高校卒業の資格を取得することができる高等専修学校の事を言います。
技能連携校は学校教育法の55条に定められている「公的に制度化された高校卒業資格を取得することができる」学校なので、卒業することで高卒資格の取得をすることが可能です。
技能連携校に入学した生徒は、同時に通信制高校にも入学することになります。そして、専門的な学習を進めていきながら高校の勉強も並行して進めていくことになります。
技能連携校はどこが運営を行っているのか
専門学校が技能連携校を運営していることもありますが、トヨタ自動車や日立製作所などの大手の企業が開校しているケースもあります。企業が運営をしている場合は、高い技術や技能を継承する目的であることが多いです。
また、共産関係の企業がそのノウハウを活かして社会的に必要であるとされている部分に特化した形で運営を行っていることもあります。
必ずしも学校法人が運営を行っているというわけではありません。
技能連携校の学費
技能連携校に通う際には、必ず通信制高校にも同時に入学することになります。
また、専門科目を学習するということもあって、通信制高校に通うよりも学費は多くなりがちになります。
平均的な技能連携校の初年度の学費は、平均60万~100万円程度です。
技能連携校は、通信制高校と同じように就学支援金が支給されるので、負担額はかなり軽減させることができます。
就学支援金の年額は、平均12万円程度です。
技能連携校と通信制サポート校の違いは?
通信制高校と同時に入学して学習を進めていく、という点では通信制サポート校と似ていますが、仕組みが大きく異なります。
受けられる授業が学校の単位として認められるかどうか
技能連携校と通信制サポート校の大きな違いは、「単位の割り当て」に関する部分です。
技能連携校は、学校教育法に定められている為、技能連携校の専門科目の一部は通信制高校の卒業単位として割り当てることができます。
その為、技能連携校(高等専修学校)と通信制高校の両方の学習を進めていくことになるので、生徒にとっては負担になってしまうように感じますが、そんなことはありません。
技能連携校で学習した分を通信制高校の単位として割り当てることができるということは、技能連携校で学習していても、それが通信制高校の単位取得の役割も果たしているということです。
つまり、二重に学習しているわけではないのです。
対して通信制サポート校は、学校教育法に基づいている学校ではなく、あくまで通信制高校の生徒の学習を支援するための学習塾や予備校という役割になります。
その為、通信制サポート校に入学して授業を受けていても、通信制高校の単位として認められることはありません。通信制サポート校で学習をしつつ、それをもとに通信制高校の単位取得を目指していく、といったイメージです。
自分で学習を続けていくことが苦手な生徒の為に学習の支援を行っていくのが通信制サポート校の基本になるのです。
通信制サポート校は、各学校ごとに特色が異なっていて、大学受験のための学習ができたり、プログラミングやデザイン、イラスト技術などの専門的な学習を行っていくことができたりします。
通信制高校とは完全に独立した存在であると思って良いでしょう。
詳しくは以下の記事でも書いているので合わせて読んでみてください。

出席日数が大きく異なる
技能連携校と通信制サポート校とでは、出席日数も大きく異なります。
技能連携校は、都道府県との決まりで週5日登校をするように義務付けられています。その為、全日制高校と同じような生活を送ることになります。
その代わり、同時に入学した通信制高校のスクーリングへは酸化する必要がなくなります。
対して通信制サポート校は、通信制高校で実施されているスクーリングの時間数だけは必ず登校しないといけなくなります。プラスで通信制サポート校にも通うことになります。
2つの学校に登校しないといけない分、通信制サポート校の方が少し大変になります。
技能連携校のメリット
技能連携校のメリットは、「技能連携校で学習したものがそのまま通信制高校の単位にすることができる」ということです。
技能連携校で学習を続けていくことで技能連携校だけでなく、通信制高校も同時に卒業することができます。
また、その他に学習カリキュラムがしっかりとしているところもメリットになります。
カリキュラムは、高校卒業に必要な国数英などの普通科目に加え、商業実務から工業系や社会福祉系、調理製菓系、服装系、美容系など様々な専門科目が用意されています。
そしてそれらを履修科目としてバランスよく計画を立てて勉強していくことができます。
また、社会に出ても即戦力として活躍することができるような人材の育成を目指していくことも可能です。
高校卒業と技能連携校(高等専修学校)を同時に卒業することになるので、履歴書を作成するときに持っている能力を書面化させることもできます。
技能連携校のデメリット
技能連携校のデメリットは、通信制高校としての良さが薄れてしまう事です。
技能連携校は、通信制高校の学習とともに専門的な知識を習得するために通う学校で、登校日は全日制と同じ週5日になります。
その為、自由な時間を確保しつつ自分のペースで学習を進めていくことが難しくなります。
また、高等学校学習指導要綱に沿っているので、専門科目の学習には限界があります。時代を先取りしたような学科や表現を目指していくようなコースは設けられていません。
ハイブリッドなプログラミング技術を扱うプログラマーや最先端のメディアアーティスト、声優、ダンサー、タレントなどの職業を目指したいと考えている人にはあまり向いていないといえます。
逆に将来の目標の為に職務教育を受けたいと考えている人、ある程度の専門的な知識を得たいと思っている人には向いているでしょう。
まとめ
技能連携校は、学校自体が学校教育法に基づいて運営を行っているので、通信制高校のように高卒資格を得ることができる学校です。
社会に出た時に必要になる、専門的な知識や資格の取得を目指したいと思っている人には非常に向いている環境です。
より専門的な学習をしたいと考えているのであれば、むしろ通信制サポート校の方が、特化した知識を得ることができるので、将来やりたいこと、就きたいと思っている仕事があるならばお勧めです。
しかし、通信制高校とは別の学校として通っていくことになるので、単位取得の面では技能連携校に劣ってしまいます。
どういう環境で何を学習したいのか、どんな職業に就きたいのかを明確にしたうえで、適した方を選択すると良いでしょう。
通信制高校の比較は以下をご利用ください。
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